那須に移住してみた

都会人が田舎に移住する経験を綴ってみました、これから都会を離れ田舎に移住をお考えの方に少しでも参考になれば幸いです。

新発見

移住を決断する時に考えておくべき重要事項とは?

投稿日:2021-01-24 更新日:

移住をその場での感情で即決するのはあまりお勧め出来ませんが、その時のその人の置かれている立場や状態で違って来ます。

例えばお金と時間に余裕がある場合、自分が気に入りさえすれば即決しようが何しようが自由にすれば良い。

しかし、世の中のほとんどの人がそうはいかない僕も含めて多少の比較検討はした方が良い。そうしないと損をするかも。

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移住を決断|家族や仕事を考えておくことが重要

独断は良くない

例えば僕が買ったような土地は別荘地では無く一般の土地で別荘地と比較すると本来安く手に入れることが出来るようなのである。そう言うことも普通の都会人は知らない訳で聞き出しようもない。

この手の情報は住んでいる人に聞いてみて初めてわかるのである。不動産屋のおっちゃんからでは教えてもらえない情報である。

もし出来れば移住経験のある人に聞くことが良いと思う、幸い今はネットで検索すれば沢山情報は手に入れられる。それでもその情報は不動産業者のものでない方が良い。

 

家族があれば家族のことを考える

移住なんて言う大問題を自分だけで決断すると後で後悔することになる。親や妻子供などにも意見を聞くことをお勧めする。まずそれをすると、ほぼ移住なんて出来ないことになる場合が多い。

僕の場合プロフィールでも書いたが、ほぼすべてのことを自分だけで決めて来た、自営業で労働者、ビジネスオーナーではない、いつ何時収入が途絶えるかわからない、経済的な裏付けも無ければ将来設計も無い、あるのはその時の自分の感情だけだ、那須への移住も独断で自然豊かな所で子育てをすれば妻も子供も喜ぶだろう、親もその内那須に呼んで綺麗な空気を吸って長生きしてもらおう・・・などと相手の意見も聞かず、そう思うだろうとの想像だけで決めてしまった。

それが間違いの元になった。妻は普段あまり自分の意見を主張する方では無くほぼ僕のやることに黙って付いて来るタイプだった。

那須の土地を購入し家を建て始めたのだがその頃はまだ東京に住んでいた。娘が二人いたのだが上の子が幼稚園に入園しなければならず入園時には那須の家の完成が間に合わないと言うことで急遽那須のペンションに住んで、そこから幼稚園に通うことになった、僕はペンションから東京へ仕事へ行った。ペンション住まいが2か月近くになった。

妻は専業主婦だったので幼稚園が終わって迎えに行くまでペンションで下の子と知らない土地でと友達も無く過ごしていたのだろうと思う。

家が出来上がって、そこでの暮らしが始まった。妻は娘の送り迎えと僕の送り迎えだけで娘と僕が居なければ下の子と二人だけで誰とも話もしない毎日を過ごしていた。ペンションに暮らしていた時は少なからオーナーやスタッフと時折、話をしたりお茶を飲んだりとコミュニケーションを取る機会があったはずだが、それが全く無くなった。歩いて行ける範囲にはレストランも無ければスーパーも無い自然だけしか無いところに取り残されることになった。今に思えば彼女は田舎で暮らしていける人ではなかったのだ。

離婚する羽目になった!

良かれと思って始めた移住が裏目に出た。僕はどうしても子供と離れることが出来ず娘を引き取った。

引き取ったは良いが僕一人ではどうしようもなく、親を東京から呼ぶ羽目になった。良い空気を吸ってのんびりと長生きどころではない、子育てを担うこととなった。買い物するにも何をするにも一歩外に出れば車に頼らなければ何も出来ないところなのだ。

自分たちの都合の良い時だけ孫と楽しく遊んでいるだけではなくガチでの子育て苦労したと思う。

 

仕事のことを考える

娘を引き取った僕は親に助けを求め今まで通り東京へ仕事に行ったが娘や親のことが気になって仕方がなかった。暫くして東京の事務所を閉め完全に那須で暮らすことにした。しかし、仕事をどうするか考えてなかった。知り合いも誰もおらず全く仕事に結びつきそうな気配が無い。

那須では仕事が無くニートである。暫くは娘が休みのたびに陶芸教室に通って遊んでいた。そこの陶芸の先生に僕がやっていた仕事の話や絵を描いていることなどを話すと、ある美術商を紹介してくれた、その美術商の人が建築会社を数社紹介してくれて、その内2社と建築のデザイン的部分を担当する顧問契約をすることが出来、何とか収入を得ることが出来るようになった。

東京時代は商業施設のデザインが主な仕事だったが那須ではそんな仕事はほぼ無い、住宅と別荘が主な仕事となった。

その後こちらでも住宅や別荘建築の事務所としてスタートしたが東京の時のように仕事を持って来てくれる人もいなかったのでとても苦労した。過去形では無く今も苦労している。

移住するにあたっては、何より生きていくために仕事を確保すること、収入源となるものを持っていることが重要である。僕が移住した当時などは今のようにインターネットなどどいうものは発達しておらず、何をするにもリアルでやるしかなかったが、今はインターネットを使いこなすことが出来ればいつでもどこでも仕事が出来る時代となった。しかし、誰しもがそう言う環境にはなり得ない「ネットを使いこなすことが出来る」・・・これが前提だ。

将来設計を多少しておく

再婚をした。こちらは子連れ、彼女は娘の面倒をそつなくこなしていたが、おそらくはイヤイヤやっていたと思う。それはそうである他人の子供を育てるのだから複雑で当たり前だ。しかも子供らは成長しある程度物事がわかるようになっていた。彼女は地方出身だったせいもあり、僕も常にそばにいたので何とか那須での生活にも馴染んでくれた。またそこで問題勃発、僕の親が同居を拒否、急遽アパートを借りて暮らしを分けることとなった。

親にしてみれば東京での友達からも離れ子育てもし、意に反して那須に来てアパート暮らしになるなんて思ってもみなかっただろう。

田舎暮らしや移住を考える時は、こうした僕の経験も参考にして欲しい。「俺はそんなことにはならないよ」と思うかも知れないが、僕のようなことにならないとも限らない。

人間いつ何時どう言う境遇になるかわからい、少なからず自分一人で生きている訳では無いので、多少なりとも僕の経験が参考になるのではないだろうか?

社交的な人の場合はある程度、新たな地に来ても馴染むのに苦労は少ないかも知れないが僕のように内向的な人間はなかなか馴染めない。パートナーが大人しく自己主張しないタイプであれば内に悩みをため込むことになり夫婦間に溝が生じることになるかも知れない。

自分の周りのことを良く考えないで勢いで移住するようなことはしない方が良い。もししてしまった場合、僕の例のような不幸なことになってしまうことも無きにしも非ずなので、「そう言えば夫婦別れをしたり親と不仲になったりした奴がいたなぁ」と頭の片隅にでも入れて将来の設計図を描いてみてると良いと思う。

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